お人好しな父もういらない伊藤志田の父親は強盗で、私の父親に射殺された。
父親は「伊藤の家は孤児と未亡人で大変だから、助けるのは当然だ」と言い、何度も手を貸していた。
豪雨の夜、父親は伊藤の家の停電を直しに行った。その間に、妊娠中の母親が転倒し、母親とお腹の中の弟は命を落とした。
父親は深く悲しみながらも、それでも伊藤への手助けを続けた。
大学入試直前、私は伊藤に襲われた。その時も、父親は伊藤家を助けていた。
絶望の末、私は窓から飛び降りた。
目を覚ますと、あの豪雨の夜に戻っていた。
今度こそ、母親と弟を救い出す。そして――もう父はいらない。